kotoseiryu888’s blog

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「大仏男」☆原宏一☆を読んで…。

 

大仏男 (実業之日本社文庫)

大仏男 (実業之日本社文庫)

 

 

大仏男っていうから、奈良や鎌倉のお話かと思ったら違うやん!タイトル見て騙されたわ~。でも嫌いじゃないで。

 

お気に入り★★★★

 

またまた本のタイトルで選んだ1冊。大仏男ってどんな話なんだろうって、作者は奈良と鎌倉に住む人々に興味を持たせるタイトルで1つ成功を収めたと思います。

この話のぶっとんだところは、お笑い芸人の卵、大仏男が霊能相談者として街頭に立つのですが、あれよあれよで気が付けば一日2万円稼いでしまった。付け焼刃の霊能相談者が一日2万円稼ぐなんて到底無理なんですけど、この小説ではそれを可能にしているところです。

 

そして、大仏男はわずか数カ月で「本物の霊能相談者」として大物議員や町の有力者ともかかわっていくのもぶっとんでいるところです。

 

主人公のカナがすすもうとしている道で悩んだ時、大仏男がいったセリフ「だってカナちゃん、大きな目標とかそういうものって、走っているうちに自然と見えてくるものだから、それが見えるまでは走っていればいいと思うんだよね」これは心に響いた。そして大仏男はインチキでなく霊能相談力が開眼したところがすごい。

 

解説に「本当の自分の生き方と、いまの自分の生き方にギャップを感じている。そういうことかな?」大仏男が主人公にいったセリフがこの物語の核であると書かれている。

 

だましだまされの世知辛い、この世の中でたとえ霊能相談者であっても、一言大丈夫だよと言ってもらえる世の中に生きている私たちは案外幸せなのかもしれない。